空き家の解体などで工事を行う場合、トラブルは何かと付き物です。
トラブルには様々な種類のものがありますが、代表的なトラブルとしては騒音問題です。
解体工事を見たことがある方はわかるかもしれませんが、特に騒音や臭い、振動などすごいです。
そのために、近隣とトラブルになるケースも珍しくありません。
今回はそういった解体工事のトラブルを事前に回避してスムーズに進めるための方法を解説していきます。
解体工事前のよくあるトラブル事例
まずは解体工事の施工開始前に多いトラブルから見ていきましょう。
実際の解体が始まる前にも、近隣に挨拶したり、周辺調査を行ったりと解体業者がするべき作業はたくさんあります。
近隣トラブル
解体工事前のトラブルとしてまず挙げられるのが、この「近隣トラブル」です。
冒頭でも少しご紹介しましたが、騒音や臭い、振動の他に頻繁に人や車の出入りがあるため、近隣にお住まいの方には何かしらの迷惑がかかります。
そのため、事前に近隣の方に挨拶回りをして、しっかりと周知しておく必要があります。
工事が始まるまでに粗品を持ち、「解体業者名」「連絡先」「工事内容」「期間」などをしっかり伝えましょう。
また、足場の組み立て時に、隣の敷地に立ち入る場合は許可を得る必要があります。
施主が挨拶回りをしたとしても解体業者からの挨拶がなければ、近隣の方々に「挨拶もしないような失礼な業者に任せておいて大丈夫なのか」と思われても仕方ありません。
ココがポイント
あらかじめ挨拶回りをどのように行うかの打ち合わせをしておきましょう。
業者と施主が一緒に近隣住宅を回って挨拶をするという方法もありますし、別々に回る方法もあります。どのように挨拶回りを進めるかを相談すると良いでしょう。
業者が挨拶回りを行うのは当然ですが、心配な時は一言確認をとっておくと良いでしょう。
悪徳業者のトラブル
解体業者は、全国で14000社以上あるとも言われており、悪質な業者も少なからず存在しています。
解体業に限らず、どの業界でも存在しますが特徴としては対応が悪さなどを指摘する意見が多く挙げられています。
見積りを確認する段階や契約前に、担当者と直接話をしたりする機会は多々あると思います。
もしその時に担当者の態度が悪かったり、不誠実な対応があれば場合は、工事を依頼しても何らかのトラブルに巻き込まれると思っておいた方が良いでしょう。
例えば、約束している日時に遅れたり、約束をすっぽかすような業者は、信用に置けませんね。
また、作業中、作業時間外に大声で話して周囲の人々に迷惑をかけたり、缶コーヒーやタバコをポイ捨てする従業員がいるかもしれません。
もちろん担当者の対応だけでそこまで決めつけてしまうのは早計かもしれませんが、優良業者であれば担当者がいい加減な対応をしてくることはまずありません。
きっちり仕事をしてくれるのか、気持ちよく工事を頼めるのか、依頼する前の対応からしっかりと見定めるようにしましょう。
料金トラブル
施主と業者との間で一番多いが実は料金トラブルです。
工事中に土の中から出てきた地中障害物の処分費用等で追加費用が発生する場合もありますが、
「当初の予定より高く請求された」「追加費用が納得いかない」というようなトラブルが起こりがちです。
事前の打ち合わせで追加費用が発生する場合や条件をしっかり理解しておきましょう。
解体工事は決して安くない金額なので、出来るだけ事前にトラブルを回避することが肝心です。
不法投棄
不法投棄は法律違反なので、業者側に主な責任がありますが、施主も処罰の対象となるので注意してください。
そういった怪しい業者には解体工事を絶対に依頼してはいけません。
あまりにも見積り額が安い場合は、不法投棄など違法な行為を行う可能性もあります。
複数の業者に見積もり依頼をして、おおよその金額を確認しておくようにしてください。
さらに詳しく
解体業者には事前に「産業廃棄物の管理伝票」を発行してもらい確認しておきましょう。
「産業廃棄物の管理伝票」には、産業廃棄物の量や種類、運搬業者名や中間処理業者名、最終処分業者名などが記載されています。
解体工事で発生した産業廃棄物をどのように処分するのか、明確に書かれています。
工期遅延
当初のスケジュール通りに進まずに、かなり長引いたという工期に関するトラブルも結構あります。
工期の目安としては、木造住宅2階建て(床面積30~40坪)の場合だと、解体工事着手から完了まで10~14日間必要となります。
逆に、金額が安く工期が極端に短い場合にも注意しましょう。
あまりにも短い工期だと、ずさんな工事を行う可能性もあります。
打ち合わせ時に、しっかりとスケジュール表を出してもらい作業遅延が起きていないか確認しながら進めましょう。
トラブルが起きてしまったら
どれだけ気を付けて解体業者を選んだとしても、中には悪質な業者に依頼してしまう方がいるのも事実です。
また、故意でなかったとしても何らかのトラブルに巻き込まれてしまうケースもあります。
悪徳業者に高額請求をされた場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。
業者との直接やり取りは避ける
相手が悪徳業者の場合は、過去に様々な依頼者と色んな種類の問題を起こしている可能性が高いです。
要するに、依頼者がどのような話をしてくるか、どんな風に文句を言ってくるかというパターンを熟知していることが多いですし、うまく対応して結局言い負かされてしまうケースが多いのです。
実際に、解体業者とケンカをしてもいいことはありませんし、言い争ったとしても問題の解決にはつながりません。
悪徳業者に直接文句を言いたい気持ちはわからないでもないですが、重要なのはトラブルをうまく解決して損失を防ぐことです。
問題の解決を最優先に考えるのであれば、第三者に間に入ってもらうのが最も良い方法と言えるでしょう。
相談先は様々
一体どこに相談したらよいのかわからないという方もいらっしゃるかもしれませんが、解体業者とのトラブルに関してはいくつかの相談先が存在します。
弁護士を利用する
相談料として弁護士への支払いが生じますが、建築業界のトラブルに詳しい弁護士もいるため、そういったところに相談することで問題を早期解決できる可能性があります。
解体費用で法外な代金を支払うのであれば、弁護士に数万円支払った方がこちらの出費も少なくて済みますし、悪徳業者を懲らしめることもできるはずです。
消費者センターを利用する
消費者センターとは、それぞれの地方公共団体が設置する機関になり、消費者が生活の中でトラブルに巻き込まれた際に問い合わせることのできる場所です。
弁護士とは異なり相談料は原則無料ですが、結局弁護士を紹介されることもあります。
ただし、消費者センターで片づけられる問題も多いですので、まずはこちらに問い合わせてみるのもよいでしょう。